転職での面接で必ず聞かれるのが「転職理由」に関するの質問。
転職活動の「軸」ともなる質問ですが、どのように答えるのが面接官への印象が悪くならないか?本音で語ってもいいのか
?自分の転職理由はどのように作ればいいのか?
転職理由の書き方や考え方のポイント、実際に私が面接で使った例などをまとめました。
本記事の内容
- 面接官が転職理由を聞くたった2つの理由を教えます
- 転職理由を考える際におさえておくべきポイント3つ
- 転職理由で要注意なキーワード4選
- 実際の面接で使った転職理由 成功例・失敗例【具体例】
私は前職の会社が嫌すぎて、ある日突然11年間務めた会社を退職しました。ノープランで挑んだ人生初の転職で、面接は無敗、全くの異業種 大手外資メーカーへの転職が出来ました。その際の考え方をお教えします。
Contents
面接官が転職理由を聞くたった2つの理由を教えます
転職の面接で、面接官がなぜ必ず「転職理由」を聞くのか?答えはずばり以下の2つです。
- 募集した企業・ポジションへの適応があるか
- 同じ理由ですぐに辞めないか
募集した企業・ポジションへの適応があるか
企業によって求めている人材の特性やカラーが異なります。また募集しているポジションによっても、全く求めている人材のタイプが違います。
どんなに素晴らしい転職理由を用意しても、企業の求めているものと違う場合があります。
例えば、「新しいことにどんどんチャレンジしたいから辞めました」というポジティブに見える転職理由があります。
しかし、応募先が正確さや厳密さを要する職種だった場合、ベストマッチにはなりません。むしろ、営業や企画の職種にいったらどうですか、と言われてしまいます。
面接官は転職理由を聞くことで「応募者が自社のカラーに合っているのか?募集しているポジションにマッチしているのか?」をチェックしているのです。
同じ理由ですぐに辞めないか
もうひとつが、前職で転職のきっかけとなった理由が、自社でも当てはまらないか?当てはまった場合、すぐ辞めてしまうのではないか。をチェックしています。
中途採用をしている企業は、転職サイト経由で成約した場合には成約手数料を支払わなければなりません。
さらに面接するための人件費や労力なども考えると、すぐに辞められてしまうと、現場が困るだけではなく、会社としても損失が大きいのです。
なので、自社で長く働いてくれるか?を見極めるためにも、転職理由は知りたい質問なのです。
転職理由を考える際におさえておくべきポイント3つ
POINT①:ウソはNG!本音の理由から作る
POINT②:自分では解決できない理由であること
POINT③:最低2つは準備しておく
POINT①:ウソはNG!本音の理由から作る
転職の理由を考える際、本音は言いづらいから建て前の理由を作ろうと思う方もいるかもしれません。ただこの方法はおすすめしません。
理由はずばり、ボロが出やすいからです。
面接で答える内容全般ですが、「戦略的な伝え方」は必要なのですが、自身の経験や事実をベースに語らないとどこかで矛盾が生じたり、深く突っ込まれた際に言葉に詰まってしまいます。
咄嗟の質問に反応ができなかったり、辻褄が合わないなどが生じると、マイナスポイントが非常に大きいです。
しかし、面接で語れるような転職理由ではない・・・と思う方もいらっしゃると思います。
ただ、日ごろから会社への不満の一つ二つは大小なりとも誰しもあるものです。決定的な転職理由ではなかったとしても、それを使って作成すれば、そこまで難しいものではありません。
それらの不満などをもとにどのような視点で転職理由を作るのか?について、具体的な例を交えて、POINT②で説明していきたいと思います。
POINT②:自分では解決できない理由であること
転職するということは、少なからず今の現状に満足していないということです。
伝え方を間違うと、その状況を解決しようとしなかった「逃げ出した人」「解決する行動力がない人」と捉えられかねません。
そうならないためには、「自分の力ではどうにもできなかった理由」であることが望ましいです。
たとえば、
転職の理由が、「やりたいことが出来なかった」だとしましょう。
悪くなさそうに見えますが、この理由を聞いた面接官はどう思うでしょうか?
会社という組織の中では、思い通りにならないことが圧倒的に多いものです。自分の希望が叶わないからといって、辞めてしまう人なのでは?と思われる可能性があります。
また、大きな組織の場合は、部署を移動することで現状を改善できるのでは?なぜわざわざ転職をするのだろう?と思われることもあります。
では、どのように伝えれば悪い印象を与えず、うまくアピールできるのでしょうか。
たとえばですが、
「今弊社が扱っている〇〇という商材では、私がやってみたいことチャレンジすることが出来ないので、転職を決めました。」
「今は弊社の〇〇という立場で仕事をしていますが行き詰ってしまったので、今の経験を活かして今度は〇〇という立場でやってみたい」
「5年以上前から、〇〇をやるために異動希望を出していましたが、今後の自身のキャリアプランを考えて異動を待つのではなく、今回思い切って転職することを決意しました」
いかがでしょうか。
根本は同じ、「やりたいことが出来ない」という理由ですが、本人の努力だけでは状況を変えることは難しそうに聞こえます。
このように、「ただ不満をもっているから転職する人」ではなく、「現状を変えるべく、今まさに行動している人」としてアピールすることが重要です。
POINT③:最低2つは準備しておく
基本的に軸となる1つの転職理由が固まっていれば問題ありません。
ただ、面接時の状況や空気感、もう一押し必要そうかな…?という時のために、もう一つ持っておくのがベターです。
実際に私も、メインとなる転職理由の他にもう一つ用意していました。
まだ納得しきっていないかな??という空気感を感じた際に、付け加えて説明すると納得してもらえることが多く、そこからさらに深く突っ込まれることもありませんでした。
転職理由で使う際に要注意なキーワード4選
その①:人事制度関連
その②:チャレンジ
その③:ワークライフバランス
その④:人間関係
その①:人事制度関連
昇給制度や評価制度など、会社毎にいろいろな形があると思いますが、最も不満が出やすい部分でもあると思います。
ただ、一次の面接官として人事担当者が出てくる、または同席する場合も多いため、単純に現職の制度だけを理由にしてしまうと「うちでも期待に添うような制度になっている訳ではない」と思われてしまいます。
人事制度だけではなく、そこを起点にプラスアルファの理由を用意するのが安全です。
その②:チャレンジ
こちらもよくあるキーワードですね。
「自分の可能性にチャレンジ」「今の会社ではチャレンジできない」というキーワードはとても前向きで、よい転職理由に見えます。
ただ、会社での仕事はチャレンジのみではありません。
チャレンジしたい気持ちを伝えつつ、そのチャレンジ精神をもってこの会社で何をしてみたいのか?という理由付けを用意することが求められます。
その③:ワークライフバランス
過剰残業や、土日も仕事などが続く生活がつらかったり、体調を崩して転職を考えているという方は多いのではないでしょうか。転職理由ランキングでもよく見るキーワードですが、こちらも要注意です。
「残業が嫌で辞めた」というだけの理由の場合、現場側からすると、繁忙期などを考えると少々使いづらいですよね。
ただ、入社するために残業OKです!と本心に嘘をついて答える必要はありません。
「今まで自分の時間がないくらい、がむしゃらに働いてきたので、今後長く働くためにもワークライフバランスを考えた働き方をしたい」
「今後の自分のために、勉強をする時間や人脈を広げるための時間を作りたい」
など、なぜ残業を解消したいのか?そこまでの理由を用意しておくと相手も納得できます。
その④:人間関係
私自身の転職時にも当てはまりましたが、上司や同僚、他部署との関係など、人間関係はなかなか厄介ですよね。
あるあるの理由ですが、こちらもこのまま伝えるのは要注意です。
当然ですが、どこの職場でも人間関係は発生します。「周りが仕事をしない」「意地悪をされた」といったどこの職場でも起こりうる、端的な理由は避けるべきです。
これらのポイントを踏まえて準備すれば、簡単に転職理由を作ることができます。
転職理由は転職活動の中でも軸となるものです。以上の点を踏まえてご自身の軸となる転職理由を準備してみましょう。
ここさえ決まれば、志望動機も決まったと思って問題ありません。あとはエピソードの肉付けさえすればすぐにでも面接に挑めます。
実際の面接で使った転職理由 成功例・失敗例【具体例】
では実際に私が、模索しながら面接の中で使った転職理由のうち、反応がいまいちだった失敗例と、軸として使った成功例をご紹介します。
✔失敗例
「人事評価制度が公平ではなく、正当な評価を受けたいと思った」
人事の方が面接官だった際に、転職理由のひとつとして伝えました。
しかし「うちも社員から評価制度についてもいろいろとお叱りがあるんですよね。人事の立場として身が引き締まります」と答えられました。
微妙な空気感を感じたため、別の転職理由もお伝えしましたが、まさに前述した要注意キーワードをそのまま使って実践した結果でした^^;
「今の会社は古い体制で保守的なので、なかなかチャレンジができない。今の職種の経験値を伸ばしきれないと思った」
現役の面接官の方から、実際にフィードバックいただいたのが、以下の内容です。
新しいチャレンジがしにくい雰囲気という理由は、社風を知らない相手からすると、自社と比べてどうなのかが分からない。そもそも会社はチャレンジばかりではないので、もっと職種起点で今の経験をここでどう活かしたいかという気持ちを言った方が伝わりやすい。
こちらもまさに、要注意キーワードの際に記載した内容ですね^^;
✔成功例
「扱っている商材の特性上、非常に制約が多く、新しい技術やサービスを使おうとしても出来ないことが多かった。自分の職種で経験を積みたいと思った際に、今の会社ではどうしても行き詰ってしまうので、他の環境でチャレンジしてみたいと思いました」
軸となる転職理由です。基本はこの理由をすべての面接で使いました。
会社としての制約が多いという「自分では解決できない理由」を入れています。また、その制約を理由に、自分の職種としてのキャリアを伸ばしたいというビジョンを入れています。
一度最終面接で、「うちも扱っている商材上制約は多いけど、同じ理由にならないか」と聞かれたことがあります。
ただ制約の種類が違うと思ったので、応募先企業の制約との商材上の制約の違いを理解していることを伝え、問題ないことをはっきり伝えました。
このような場合にも、やはり自分の転職理由はウソではなく、本心で作っておくことが非常に重要ですね。
おわりに:ポイントをおさえて失敗しない転職理由を準備しよう!
今回は、実践で使える転職理由の答え方について、まとめました。
そもそもの私の転職のきっかけは「職場の人間関係と、評価制度に耐えかねたから」という、ごくごくありふれた理由でした。
しかし、ご紹介した転職理由を作る際のポイントと、注意点を考慮しつつ準備したおかげで、面接では落ちることなく転職を終えることが出来ました。
初めての転職でも、ご紹介したポイントを踏まえて準備することで、失敗しない転職理由を作ることができるようになります。
また、初めての転職の場合は一人で考えるのは難しいと思いますので、エージェントなど利用するのもありだと思います。実際に私も初めてだったのでベースの考え方や棚卸をする際にはエージェントを利用しました。
環境を変えるための行動は、大変なことも多いですが、その大きな一歩のチャレンジをぜひ楽しんでください!