何かミスが起きると自分が悪いと思ってしまう
うまくいかないことがあると「だれかのせい」にしてしまう
大切なパートナーを傷つけてしまいそうで怖くなることがある
ともだちは私と一緒にいて楽しいのかな?と感じてしまう
このように、意識しやすいものから潜在意識の中にあるものまで、だれしもが「罪悪感」とい名の自分を責める心を持っています。
自分でも知らず知らず自分を責めるような考え方になっていたり、思いこんでしまっていることはないでしょうか。
私は小さなミスや、やろうと思ってできなかったことがあると
自分は簡単なこともできない、なんてダメな人間なんだ・・・
と心の中で思ってしまいがちでした。
私自身はHSP(Highly Sensitive Person)の気質があるのですが、この「自分を責める」というのはHSPの人によく見らえる特徴でもあるようです。
しかし、この「自分を責める」というのは、今までの人生で少しずつ積み重ねてきた「考え方の癖」です。この「癖」を理解することで、「自分を責める」ことから解放することができます。
本記事では、この「考え方の癖」について解説していきます。
- 「自分のせいだ」と感じていしまう潜在的な罪悪感について
- 罪悪感の7つのタイプと具体例
- なぜそのように感じるのか?考え方の癖の紐解き
- 考え方の癖を変えるやり方
「自分は出来ない人間」「ネガティブな性格がダメなんだ」
といった、漠然とした「自分をせめてしまう気持ち」を理解することができます。カウンセラーの根本裕幸さんが書かれたこの本の中では、潜在意識の中で自分を罰する気持ちをもつに至った背景と、それを自身で振り返ることで自分を理解し、解放することができます。
Contents
「自分を責める」から解放される方法
自分の考え方の癖を自覚する
この本の中で「罪悪感」と呼んでいるものは誰しもがもっている考え方の癖のひとつです。
考え方の癖は人それぞれありますが、潜在的な考え方の癖は自覚することが難しいので、まずは自分の考え方の癖を理解することが大事です。
- 仕事でサポートしたつもりが、足でまといになってしまった
- 成功した仕事で褒められても、自分は大したことはしてないと思う
- 自分の都合は我慢して、友人の都合に合わせてスケジュールをたてている
- 同僚が疲れているように感じたが、普段通り接していたら鬱で会社を休んでしまったことに心を痛めた
- 誰かに好かれても、自分のことを深く知ったら嫌いになるだろうからと受け入れられずに距離をとってしまう
これらは、潜在意識の中にある自分を否定するような考え方の癖(罪悪感)の兆候です。
この罪悪感が「善か悪か」ではなく、自分はこういう風に普段なにげなく感じているんだな。と自覚し、それが自分自身の問題ではなく考え方の癖や考え方が身についた背景があると理解することが大事です。
「自分軸」の考え方をもつ
なにか問題が起こった、と感じた時に、それを問題だと思っているのは自分自身。という意識が大切です。
飲みにいった夫が遅くまで帰ってこず、連絡しても返事がなくて夜中に帰ってきた。
私がつい最近夫とケンカした内容です(汗
さて、私は「遅い時間なのに夫は連絡もよこさない」「新婚なのにこんな時間まで飲んでるなんて許せない」と思っていました。
「夫が●●したから」「夫が●●しなかったから」というのは、「他人軸」です。
では自分軸とはなんでしょうか?
「私がいい奥さんじゃないから連絡してくれないんだ…」
これは「自分軸」ではありません。
私は、連絡もなく夜中に帰ってくるのは嫌だった。
私は、遊びに行ってずっと連絡がないのは忘れられているようで寂しかった。
遅くなるなら連絡してね、などと事前に私がいっていた訳ではなかった。
問題だととらえている「私」は、何が問題で、どういう状態であれば問題ではなかったのか、もしくは解決できると思っているか。
この視点をもつことで、結果によって影響を受ける自分の感情ではなく、問題だととらえている自分の思考に意識をずらすことができます。
この「他人軸」「自分軸」の考えは、以前読んだ日本アンガーマネジメント代表理事である安藤俊介さん著の「アンガーマネジメント」を読んだ際の手法にも共通点がありました。「自分を主語にする」といった手法や、アンガーログでの事実を客観的に記載させるワークや、3コラムテクニックというワークなどで自分の感情を客観的に見直すという点は、非常に共通点があり有効な活用法だと感じました。
怒りと自責という感情の違いはありますが、考え方の癖を直す方法として、また読み返してみようかなと思います。
自分へのモラハラをやめる
何かミスしたときに心の中でついつい自分に言っている言葉ってありますよね。
「全然ダメ!」「本当に何をやっても出来ない!」「どうしてこんなことがわからないの?」
冷静に考えてみてください。これらの言葉をあなたが友だちや同僚に言ったらどうなりますか?こんな暴言、他人から言われることを考えるだけでゾッとしますよね。
こんなスーパーパワハラ&モラハラ気質な「心の中の自分」から日常的に暴言を浴び続けているのです。気も滅入るし、おかしくなっちゃうのは当然ですよね。
自分へのダメ出しというのはついついやり過ぎてしまいます。でも、他人で置き換えた時にどうか?客観的に考えてみるとよいでしょう。他人から言われて傷つくことは、自分にも言わないようにしましょう。
自分自身にも、友だちや同僚がミスしたときに声をかけるように「まぁそんなこともあるよ」「次はここを気をつけようね」と語りかけるのです。
パワハラ上司(心の自分)から卒業することで、自己肯定感を高めることができます。
客観的に見ることで気が付く『そこに愛はあるんか?』
CMでおなじみのフレーズ『そこに愛はあるんか?』は罪悪感を紐解くうえで非常に重要です。
- 仕事を手伝ったけど足手まといになってしまった。
- 家事育児でストレスが溜まって、旦那さんに八つ当たりしてしまう。
- 子どものすることについガミガミ言い過ぎてしまう。
失敗した。うまくいかなかった。
結果だけを見るとそう思ってしまうのかもしれません。でも、そもそもの原動力、理由はなんでしたか?
- 困っている同僚を助けようと思った。
- いい奥さんでいようと、家事をがんばった。
- 子どもが危ないことに巻き込まれないように、いつも目を見張らせていた。
そこに愛はありますよね。
できなかったという結果によって感じる罪悪感ではなく、行動の根本には相手への思いやりや、愛情が原動力になっていること。そしてそのこと自体はなにも間違っていないといことに気づくことが重要です。
客観的に見ることで、「自分が悪い」「自分ができない」のではなくて、ただやり方を間違っただけとか、違う方法を試してみれば解決するかも知れないとか、他の道がひらけます。
本を読んで実践した3つの行動と変わったこと
私はこの本を読んで、くよくよしたり落ち込みやすいのは生まれ持ったネガティブな性格なのだと思っていました。しかしそれは環境やいろいろな外的要因から生み出された、言語化して説明ができる考えの癖なのだと知って救われました。
私は小さなことからですが、自分を解放するために、日常の中で以下のことを意識しています。
- いい子であることをやめる
- 仕事でミスした罪悪感
- パートナーとのケンカ
以下で説明していきたいと思います。
いい子であることをやめる
本書を読んで自身の背景を改めて考えた時に、自分の思考は幼少期に芽生えたものだと感じました。
「だらしない兄と違って、あなたはいい子」
いいかげんでだらしないお兄ちゃん。きちんとしていて偉い私。
よく、兄と比べられていた記憶があります。
過干渉な両親のいうことを守り、無意識のうちに規則やルールはきちんと守るようにと制限したまま大人になりました。
本書でも書かれているように、大人になった今でも親から「これはおかしい」「こうした方がいい」と言われると無視しているつもりでも気持ちがザワザワしてしまう、理性と感情の乖離がありました。
なので小さなことですが、今までは親から何か言われても黙って言われるがままだったのですが、自分の言葉で伝えること。また、パートナーに自身の背景について伝えることで味方になってもらうことで、気持ちの逃げ方がすこしずつわかってきました。
仕事でミスしたときは自分だけの報告書を作成
転職したての時などはとくにミスも多く、落ち込むことも多かったです。
しかし、ミスの内容を客観的に考えるとで、「会社の仕組みを知らなかったから仕方ないこと」「次回から気を付ければいいこと」を分けて考えることができました。
「次回から気を付ければいいこと」に関しては自分向けの報告書を作り、起きた事象を客観的に書き出し、原因は何だったのか、次回の改善案と作業のチェックリストを作成するなどしてミスに向き合えるようになりました。
申し訳ないからという理由で家事をやるのをやめる
自分ばかりやっていると感じると、無性に腹が立つけど、相手がやってくれていると何故だか申し訳なくなる。
パートナーとの共同生活の中で日ごろからこのように感じていました。
具体的には、
私は料理が苦手なので、料理が得意なパートナーがほぼ作ってくれています。
代わりに食器を洗うのは私の役割ですが、私が料理を作ったときは、パートナーが食器を洗います。
しかし、なぜか私は上手ではない私の料理の対価として食器洗いをしてもらうのは申し訳ない、と思ってしまうのです。
また、パートナーは洗濯が苦手なので、洗濯はほぼ私がやっています。
しかし、スマホをいじっているパートナーの横で山のように積まれた洗濯物を一人で畳んでいると、「自分のものは自分で畳んでほしいな…」と思いながら、私はいつも料理していないしこれくらいしないと。と思っていました。
ですが、やってくれたことには素直に感謝をしつつ、日常的な家事はお互い自分のことは自分でやる。私たちはどちらも働いている対等な関係。
と自分に言い聞かせて、相手の洗濯を無理に全部畳まないようにしたら、変なストレスからも解放されました。
6:まとめ:自分を理解することは生きやすさの第一歩!
この本のポイントを再度まとめます
- 自分の考え方の癖を自覚する
- 「罪悪感」を感じる「他人軸」から「自分軸」への考え方にする
- 客観的に見ることで自分の本質にきがつく
- 自分へのモラハラをやめる
正直、本書の中で何度か語られている「愛を認識する」といったキーワードは、あまりピンときませんでした。
しかし、人の親切や愛情を素直に受け入れられないのは「自分をないがしろにしているから=潜在的な罪悪感があるから」だと読み解くことでしっくりきました。
本の中にはたくさんの具体的な事例があるので、「あぁこういうことも罪悪感だったのか」と認識することができます。自分の考え方の癖を理解する、という意味でも非常に読んでよかったと思った本でした。
この本を読んだあとからすぐに劇的な変化があるということではありません。
しかし日常の中の自分を理解し、行動を意識することで時間をかけて気持ちを軽くすることができます。
自分はネガティブかも?自分のせいかもとふと思ってしまう、という方はぜひ一度読んでみてください。